上腕骨近位部骨折の術後に小円筋腱断裂を来した1例

【はじめに】稀な小円筋単独断裂を経験したので報告する.【症例】32歳,測量士.車を運転中,後方確認のため左肩を外転・外旋した際に礫音が生じ,左肩痛・運動制限が出現したため近医を受診した.MRI上,小円筋腱断裂を認め,紹介となった.初診時,屈曲130°,外旋50°,内旋第10胸椎レベル,JOA score 60点,外旋筋力の低下を認めた.単純X線上,左上腕骨近位部骨折に対して髄内釘を用いた骨接合術後の状態であり,近位横止めスクリューによる小円筋損傷が疑われた.受傷7週時,直視下にスクリューを抜去した後,小円筋を修復した.術後6週間,肩外転装具を用いて外旋位固定を行い,4週より自動介助・他動可動域...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 1; pp. 56 - 57
Main Authors 赤嶺, 尚里, 呉屋, 五十八, 当真, 孝, 山口, 浩, 西田, 康太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2023
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【はじめに】稀な小円筋単独断裂を経験したので報告する.【症例】32歳,測量士.車を運転中,後方確認のため左肩を外転・外旋した際に礫音が生じ,左肩痛・運動制限が出現したため近医を受診した.MRI上,小円筋腱断裂を認め,紹介となった.初診時,屈曲130°,外旋50°,内旋第10胸椎レベル,JOA score 60点,外旋筋力の低下を認めた.単純X線上,左上腕骨近位部骨折に対して髄内釘を用いた骨接合術後の状態であり,近位横止めスクリューによる小円筋損傷が疑われた.受傷7週時,直視下にスクリューを抜去した後,小円筋を修復した.術後6週間,肩外転装具を用いて外旋位固定を行い,4週より自動介助・他動可動域訓練,10週以降に筋力増強訓練を開始した.術後12ヵ月,屈曲150°,外旋60°,内旋第10胸椎レベル,JOA score 95点,外旋筋力は改善,MRI上小円筋腱の連続性を認め,復職している.【結語】近位横止めスクリューによる小円筋断裂は稀であるが,手術の際には注意が必要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.56