骨Paget病による腰部脊柱管狭窄症に対して椎弓切除術を施行した1例

【目的】骨Paget病は本邦においては非常に稀な骨代謝性疾患であり,Paget病罹患骨に対して手術を行った報告は少ない.今回,L4病的骨折に伴う腰部脊柱管狭窄症に対して,椎弓切除術を施行した骨Paget病の一例を報告する.【臨床経過】28歳女性.主訴は腰痛,両下肢痛.近医でL4圧潰を指摘,骨腫瘍による病的骨折を疑われ,当科にて椎体生検を施行した.骨性ALP高値,画像所見,病理所見,家族歴より骨Paget病と診断.保存的加療を行うも下肢痛遷延,筋力低下出現あり,L4病的骨折に伴う腰部脊柱管狭窄症と診断し,L3-4椎弓切除術を施行した.術後,腰痛・下肢痛は軽快した.【考察】本症例は28歳と若年でL...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 2; pp. 171 - 174
Main Authors 有馬, 準一, 高野, 祐護, 安元, 慧大朗, 前田, 向陽, 上妻, 隆太郎, 福徳, 款章, 岡野, 博史, 田中, 孝幸, 藤澤, 徳仁, 土井, 俊郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.171

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Summary:【目的】骨Paget病は本邦においては非常に稀な骨代謝性疾患であり,Paget病罹患骨に対して手術を行った報告は少ない.今回,L4病的骨折に伴う腰部脊柱管狭窄症に対して,椎弓切除術を施行した骨Paget病の一例を報告する.【臨床経過】28歳女性.主訴は腰痛,両下肢痛.近医でL4圧潰を指摘,骨腫瘍による病的骨折を疑われ,当科にて椎体生検を施行した.骨性ALP高値,画像所見,病理所見,家族歴より骨Paget病と診断.保存的加療を行うも下肢痛遷延,筋力低下出現あり,L4病的骨折に伴う腰部脊柱管狭窄症と診断し,L3-4椎弓切除術を施行した.術後,腰痛・下肢痛は軽快した.【考察】本症例は28歳と若年でL4圧潰を来すなど病勢進行が早く,また家族性を伴っていることも本邦発生の骨Paget病としては非典型的である.術中所見として椎弓皮質骨の菲薄化が認められ,脊椎手術の際に留意すべき所見であると考えた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.171