左中指化膿性PIP関節炎をきたした妊婦の1例

【はじめに】妊婦や授乳婦への診療にあたっては,使用できる薬剤に制限を受けることがある.今回,比較的稀な妊婦の手指化膿性関節炎を経験したので報告する.【症例】27歳女性妊娠8ヶ月授乳中.特に誘因なく左中指PIP関節痛・腫脹が出現し,第9病日に近医の整形外科を受診しステロイド局注施行される.その後も症状が増悪し第11病日に当院紹介となった.関節穿刺にて黄白色混濁した膿汁6 mLが引け,後の培養でA群溶連菌が検出された.関節切開洗浄を行い,点滴による抗生剤治療を開始した.術後8日で内服の抗生剤に切り替え,5週間投与を行った.抗生剤中止後も再燃なく治癒した.【考察】手指化膿性関節炎は比較的稀であり鑑別...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 2; pp. 299 - 301
Main Authors 吉田, 裕俊, 中家, 一寿, 吉本, 将和, 清水, 大樹, 田中, 宏毅, 松原, 弘和, 福元, 真一, 倉員, 市郎, 岡本, 重敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2024
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.73.299

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Summary:【はじめに】妊婦や授乳婦への診療にあたっては,使用できる薬剤に制限を受けることがある.今回,比較的稀な妊婦の手指化膿性関節炎を経験したので報告する.【症例】27歳女性妊娠8ヶ月授乳中.特に誘因なく左中指PIP関節痛・腫脹が出現し,第9病日に近医の整形外科を受診しステロイド局注施行される.その後も症状が増悪し第11病日に当院紹介となった.関節穿刺にて黄白色混濁した膿汁6 mLが引け,後の培養でA群溶連菌が検出された.関節切開洗浄を行い,点滴による抗生剤治療を開始した.術後8日で内服の抗生剤に切り替え,5週間投与を行った.抗生剤中止後も再燃なく治癒した.【考察】手指化膿性関節炎は比較的稀であり鑑別を要する.妊婦や授乳婦に使用可能な薬剤は限られ,注意が必要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.73.299