化膿性脊椎炎の診断における単純CTの有用性
【背景】化膿性脊椎炎(vertebral osteomyelitis;VO)の診断においてMRIがgold standardであるが,撮像可能施設は限られている.一方でCTはMRIより普及しており,簡便・短時間に撮影可能である.【目的】VO診断における単純CTの有用性について調査すること.【対象と方法】当院でのVO手術例60例(VO群),腰部脊柱管狭窄症の手術例60例を対照群とした.VO群と対照群において単純CTによる以下の所見,a)椎体周囲の軟部陰影の変化,b)椎体周囲の軟部組織の肥厚,c)椎体の骨破壊・骨びらん,d)腸腰筋の腫脹,e)a)-d)のいずれか一つでも認める場合について調査した....
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 4; pp. 829 - 832 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2023
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.72.829 |
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Summary: | 【背景】化膿性脊椎炎(vertebral osteomyelitis;VO)の診断においてMRIがgold standardであるが,撮像可能施設は限られている.一方でCTはMRIより普及しており,簡便・短時間に撮影可能である.【目的】VO診断における単純CTの有用性について調査すること.【対象と方法】当院でのVO手術例60例(VO群),腰部脊柱管狭窄症の手術例60例を対照群とした.VO群と対照群において単純CTによる以下の所見,a)椎体周囲の軟部陰影の変化,b)椎体周囲の軟部組織の肥厚,c)椎体の骨破壊・骨びらん,d)腸腰筋の腫脹,e)a)-d)のいずれか一つでも認める場合について調査した.【結果】感度/特異度は各々,a)86%/88%,b)41%/95%,c)91%/100%,d)31%/100%,e)95%/85%であった.【考察と結論】単純CTによるVOの診断は,感度95%,特異度85%と高かった.椎体周囲の脂肪濃度混濁や軟部肥厚,椎体の骨破壊を慎重に評価することはVO診断に有用であると示唆された. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.72.829 |