痙攣により発症した寛骨臼骨折の治療経験
【はじめに】寛骨臼骨折は高エネルギー外傷で生じるが,稀に痙攣により発症しその報告は非常に少ない.今回痙攣により発症した寛骨臼骨折の1症例を経験したので報告する.【症例】36歳男性,痙攣と意識消失がありブドウ糖により意識を回復した.その後から左股関節痛があり,画像検査の結果股関節中心性脱臼とdome impaction(DI),quadrilateral surface(QLS)の内方転位を伴う左寛骨臼骨折を認めた.後日骨接合術を施行したが,術後1週で股関節中心性脱臼の再発とDIの再転位を認めたため再手術を施行した.再手術ではDIの整復と骨移植などで整復部を補強しQLSの整復固定を追加した.術後...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 819 - 822 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2022
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.71.819 |
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Summary: | 【はじめに】寛骨臼骨折は高エネルギー外傷で生じるが,稀に痙攣により発症しその報告は非常に少ない.今回痙攣により発症した寛骨臼骨折の1症例を経験したので報告する.【症例】36歳男性,痙攣と意識消失がありブドウ糖により意識を回復した.その後から左股関節痛があり,画像検査の結果股関節中心性脱臼とdome impaction(DI),quadrilateral surface(QLS)の内方転位を伴う左寛骨臼骨折を認めた.後日骨接合術を施行したが,術後1週で股関節中心性脱臼の再発とDIの再転位を認めたため再手術を施行した.再手術ではDIの整復と骨移植などで整復部を補強しQLSの整復固定を追加した.術後半年で疼痛なく歩行可能であった.【考察】痙攣による寛骨臼骨折は特徴的な骨折型を示すことが多い.整復とその維持が難しい骨折型であり骨接合術を行う際はそれぞれの因子に対処する必要がある. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.71.819 |