小児軟骨無形成症による胸腰椎後弯変形に対して矯正固定術を行った1例

軟骨無形成症は,四肢短縮型低身長をきたす骨系統疾患であり,時に脊柱変形および脊柱管狭窄症を呈する.今回,小児軟骨無形成症に伴う胸腰椎後弯変形に対し後方矯正固定術を行った症例を報告する.12歳女児.胸腰椎後弯変形を伴い,数年前から腰部痛と両大腿前面痛を認めていた.X線:T12-L3 cobb角:93°,MRI:胸腰椎に脊柱管狭窄を認め,T12-L4後方矯正固定術およびL2 PSOを施行した.術中MEP波形の低下を認め,ミエログラフィー追加にて,矯正による狭窄部位が明らかとなり椎弓追加切除を行った.術後神経学的脱落なく,腰部痛・両大腿前面痛は速やかに消失し,術後アラインメントは,T12-L3 co...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 655 - 658
Main Authors 水内, 秀城, 前田, 健, 坂井, 宏旭, 荒武, 佑至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.655

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Summary:軟骨無形成症は,四肢短縮型低身長をきたす骨系統疾患であり,時に脊柱変形および脊柱管狭窄症を呈する.今回,小児軟骨無形成症に伴う胸腰椎後弯変形に対し後方矯正固定術を行った症例を報告する.12歳女児.胸腰椎後弯変形を伴い,数年前から腰部痛と両大腿前面痛を認めていた.X線:T12-L3 cobb角:93°,MRI:胸腰椎に脊柱管狭窄を認め,T12-L4後方矯正固定術およびL2 PSOを施行した.術中MEP波形の低下を認め,ミエログラフィー追加にて,矯正による狭窄部位が明らかとなり椎弓追加切除を行った.術後神経学的脱落なく,腰部痛・両大腿前面痛は速やかに消失し,術後アラインメントは,T12-L3 cobb角:14°と改善した.術後1年6ヶ月において矯正損失や症状増悪なく経過良好である.小児軟骨無形成症に伴う胸腰椎後弯変形に対し,矯正固定術は有症状を改善し,有効な治療法であることが示唆された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.655