歯突起後方偽腫瘍に伴う外傷性非骨傷性環軸椎後方脱臼及び中下位頚髄損傷の一例
【はじめに】骨傷のない外傷性環軸椎後方脱臼は非常に珍しい.今回,非骨傷性外傷性環軸椎後方脱臼に非骨傷性中下位頸髄損傷を合併した症例を経験したので報告する.【症例】74歳男性.50cm程の階段より顔から前方へ転落して受傷.AIS D,改良Frankel分類C2/C2の四肢麻痺と診断した.画像診断にてCT上,環軸椎後方脱臼を認めたが,骨傷は認めなかった.MRIではC3/4高位に髄内異常信号変化を認めるも,環軸椎レベルでの信号変化は認めなかった.ハローリング外固定にて,最大8kgで24時間直達牽引を行うも,整復位は得られず,透視下にて牽引整復を施行した.しかし,その後再脱臼を来したため,全身麻酔下仰...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 3; pp. 535 - 539 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2022
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.71.535 |
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Summary: | 【はじめに】骨傷のない外傷性環軸椎後方脱臼は非常に珍しい.今回,非骨傷性外傷性環軸椎後方脱臼に非骨傷性中下位頸髄損傷を合併した症例を経験したので報告する.【症例】74歳男性.50cm程の階段より顔から前方へ転落して受傷.AIS D,改良Frankel分類C2/C2の四肢麻痺と診断した.画像診断にてCT上,環軸椎後方脱臼を認めたが,骨傷は認めなかった.MRIではC3/4高位に髄内異常信号変化を認めるも,環軸椎レベルでの信号変化は認めなかった.ハローリング外固定にて,最大8kgで24時間直達牽引を行うも,整復位は得られず,透視下にて牽引整復を施行した.しかし,その後再脱臼を来したため,全身麻酔下仰臥位にて徒手整復を行い,C1/2後方固定術を施行した.術後8週目で独歩可能となるまで神経学的回復を認め,自宅退院となった.【考察】既存の歯突起後方偽腫瘍に非骨傷性外傷性環軸椎後方脱臼と非骨傷性頚髄損傷を来した一例を経験した. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.71.535 |