背景音楽の指尖容積微分脈波と気分状態への影響
背景音楽下における生理的応答と心理的応答の問の関係を確認するため, 本研究は, 音楽に対する自律神経系応答と音楽呈示前後の被験者の心理的指標との間の相関分析に焦点を置いた.そのために気分プロフィールPOMS, 指尖容積微分脈波 (△DPG), 脳波, 心拍数が測定された.音楽呈示時の△DPG-P波高の変化と施行前後のPOMS得点およびEEGの変化の間に直線関係があった.△DPG-P波高の減少が大きな被験者ほど, 脳波周波数の増加が大きく, また気分因子 : 緊張, 抑欝, 怒り, 疲労の減少が大きかった.交感神経活動は心理的緊張の減少と相関することが示された.それゆえ, 音楽呈示中の交感神経活...
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Published in | 生理心理学と精神生理学 Vol. 16; no. 1; pp. 13 - 23 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生理心理学会
1998
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ISSN | 0289-2405 2185-551X |
DOI | 10.5674/jjppp1983.16.13 |
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Summary: | 背景音楽下における生理的応答と心理的応答の問の関係を確認するため, 本研究は, 音楽に対する自律神経系応答と音楽呈示前後の被験者の心理的指標との間の相関分析に焦点を置いた.そのために気分プロフィールPOMS, 指尖容積微分脈波 (△DPG), 脳波, 心拍数が測定された.音楽呈示時の△DPG-P波高の変化と施行前後のPOMS得点およびEEGの変化の間に直線関係があった.△DPG-P波高の減少が大きな被験者ほど, 脳波周波数の増加が大きく, また気分因子 : 緊張, 抑欝, 怒り, 疲労の減少が大きかった.交感神経活動は心理的緊張の減少と相関することが示された.それゆえ, 音楽呈示中の交感神経活動は精神的課題における緊張と性質において異なることが示唆された. |
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ISSN: | 0289-2405 2185-551X |
DOI: | 10.5674/jjppp1983.16.13 |