不安定型大腿骨転子部骨折に対する一期的人工骨頭置換術の検討

【目的】強固な内固定が困難な高齢者の不安定型転子部骨折に対して,早期荷重歩行の獲得を目的に,一期的に人工骨頭置換術を施行してきたので報告する.【対象と方法】症例は2016年~2021年に加療した17例(男4例,女13例)であった.年齢は平均83歳(64~97歳)で,手術までの待機期間は平均4日(2~7日),手術は遠位固定型ステムを使用し,15例で大転子のワイヤー締結,2例でフックプレートの併用を行った.術翌日から全荷重歩行を許可した.検討項目は,手術時間,術中出血,全荷重までの日数,在院日数などであった.【結果】手術時間は平均98分(50~170分),術中出血は平均530g(100~1680g...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 3; pp. 367 - 370
Main Authors 平井, 伸幸, 弓場, 久嗣, 長松, 晋太郎, 相良, 智之, 中島, 圭, 浅山, 勲, 白濵, 正博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.367

Cover

More Information
Summary:【目的】強固な内固定が困難な高齢者の不安定型転子部骨折に対して,早期荷重歩行の獲得を目的に,一期的に人工骨頭置換術を施行してきたので報告する.【対象と方法】症例は2016年~2021年に加療した17例(男4例,女13例)であった.年齢は平均83歳(64~97歳)で,手術までの待機期間は平均4日(2~7日),手術は遠位固定型ステムを使用し,15例で大転子のワイヤー締結,2例でフックプレートの併用を行った.術翌日から全荷重歩行を許可した.検討項目は,手術時間,術中出血,全荷重までの日数,在院日数などであった.【結果】手術時間は平均98分(50~170分),術中出血は平均530g(100~1680g),全荷重までの日数は平均4日(1~15日),在院日数は平均75日(52~125日)であった.不安定型大腿骨転子部骨折に対する治療法は,第一選択は骨接合術であるが,早期荷重を目的に人工骨頭置換術も選択肢の一つとして考えている.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.367