観血的脱臼整復を必要とした小児Monteggia骨折の1例

橈骨頭の観血的脱臼整復を必要とした小児Monteggia骨折の一例を経験したので報告する.症例は8歳,男児.丸太の上から転落した際に左手をつき受傷.近医より左Monteggia骨折の診断で当科紹介となった.レントゲンにて尺骨近位骨幹端骨折・橈骨頭の前外側脱臼を認めBado分類typeⅢと診断した.同日透視下脱臼整復・尺骨に対する経皮pinningを行ったが,わずかに橈骨頭の外側偏位が残存し,可動域制限,回内外時のクリックを認めたため,関節内を直視下に確認する方針に変更した.術中所見として,輪状靱帯が橈骨頭と上腕骨小頭との間に陥入しており,整復を行うことで可動域制限・クリックとも消失した.術後1...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 3; pp. 586 - 589
Main Authors 米村, 光信, 中西, 浩一朗, 堤, 康次郎, 安樂, 喜久, 立石, 慶和, 安藤, 卓, 武藤, 和彦, 上川, 将史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2018
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.67.586

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Summary:橈骨頭の観血的脱臼整復を必要とした小児Monteggia骨折の一例を経験したので報告する.症例は8歳,男児.丸太の上から転落した際に左手をつき受傷.近医より左Monteggia骨折の診断で当科紹介となった.レントゲンにて尺骨近位骨幹端骨折・橈骨頭の前外側脱臼を認めBado分類typeⅢと診断した.同日透視下脱臼整復・尺骨に対する経皮pinningを行ったが,わずかに橈骨頭の外側偏位が残存し,可動域制限,回内外時のクリックを認めたため,関節内を直視下に確認する方針に変更した.術中所見として,輪状靱帯が橈骨頭と上腕骨小頭との間に陥入しており,整復を行うことで可動域制限・クリックとも消失した.術後1年の時点で経過良好である.小児Monteggia骨折では腕橈関節への輪状靱帯の陥入が比較的高頻度に生じていることが報告されている.尺骨の整復後も橈骨頭の偏位,可動域制限の残存を認める症例においては直視下に腕橈関節の確認を行うべきである.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.586