ダビガトラン服用中の患者に対し,拮抗剤投与後にrt-PA静注療法と血栓回収術を併用した2例

要旨:【はじめに】脳梗塞急性期の治療で,rt-PA投与と血栓回収術は確立された治療だが,抗凝固薬内服中の患者に関しては十分な安全性が確立していない.今回,ダビガトラン内服中の急性期脳梗塞患者に対し,イダルシズマブ投与後にrt-PA投与と血栓回収術を行い,幸いにも良好な転帰を得た2例を経験したので報告する.【症例】(1)74歳男性.失語症状にて発症,左MCAの閉塞を認めた.Afでダビガトランを内服中.拮抗薬投与後にrt-PA静注,血栓回収術を施行した.術後CTで少量の出血性梗塞を認めたが増大なく経過.(2)89歳女性.左上下肢麻痺で発症.Afでダビガトラン内服中.左MCAの閉塞に対し拮抗薬投与し...

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Published in脳卒中 Vol. 43; no. 4; pp. 343 - 347
Main Authors 山崎, 英一, 前田, 昌宏, 疋田, ちよ恵, 井中, 康史, 岩崎, 充宏, 福田, 慎也, 森本, 将史, 佐藤, 浩明, 長澤, 潤平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2021
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10851

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Summary:要旨:【はじめに】脳梗塞急性期の治療で,rt-PA投与と血栓回収術は確立された治療だが,抗凝固薬内服中の患者に関しては十分な安全性が確立していない.今回,ダビガトラン内服中の急性期脳梗塞患者に対し,イダルシズマブ投与後にrt-PA投与と血栓回収術を行い,幸いにも良好な転帰を得た2例を経験したので報告する.【症例】(1)74歳男性.失語症状にて発症,左MCAの閉塞を認めた.Afでダビガトランを内服中.拮抗薬投与後にrt-PA静注,血栓回収術を施行した.術後CTで少量の出血性梗塞を認めたが増大なく経過.(2)89歳女性.左上下肢麻痺で発症.Afでダビガトラン内服中.左MCAの閉塞に対し拮抗薬投与した後,rt-PA静注,血栓回収術を行った.術後CTで出血なく経過した.【まとめ】ダビガトラン内服中患者の急性期脳梗塞に対して,拮抗薬投与後にrt-PA静注療法および血栓回収術を安全に施行することができた2例を報告した.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10851