喉頭蓋部分切除により軽快した睡眠時無呼吸症候群症例

「はじめに」上気道やその周囲臓器の器質的および機能的原因で上気道に狭窄が加わると, 睡眠時の安静呼吸運動では必要量の換気が妨げられ, 持続性のいびきや無呼吸が生じる. 睡眠時無呼吸の多くは, これらの閉塞性呼吸障害であり, 原因としては鼻疾患から頸上疾患まで様々である. 今回我々は, 扁平で過長な喉頭蓋の倒れ込みが原因と考えられ, 喉頭蓋部分切除を施行し軽快した睡眠時無呼吸症候群の一例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」症例:63歳, 男性 主訴:いびき, 睡眠時無呼吸, 咽喉頭違和感 現病歴:以前から鼻閉があり, 夜間のいびき, 無呼吸を家人に指摘されていた. 35...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in喉頭 Vol. 15; no. 1; pp. 39 - 42
Main Authors 東山, エミ, 市川, 銀一郎, 芳川, 洋, 川野, 健二, 榎本, 冬樹, 藤森, 正登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 2003
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx1989.15.1_39

Cover

More Information
Summary:「はじめに」上気道やその周囲臓器の器質的および機能的原因で上気道に狭窄が加わると, 睡眠時の安静呼吸運動では必要量の換気が妨げられ, 持続性のいびきや無呼吸が生じる. 睡眠時無呼吸の多くは, これらの閉塞性呼吸障害であり, 原因としては鼻疾患から頸上疾患まで様々である. 今回我々は, 扁平で過長な喉頭蓋の倒れ込みが原因と考えられ, 喉頭蓋部分切除を施行し軽快した睡眠時無呼吸症候群の一例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」症例:63歳, 男性 主訴:いびき, 睡眠時無呼吸, 咽喉頭違和感 現病歴:以前から鼻閉があり, 夜間のいびき, 無呼吸を家人に指摘されていた. 35歳時, 他院にて鼻中隔彎曲矯正術, 両側下鼻甲介粘膜焼灼術を施行され鼻閉はやや軽快していたが, 50歳頃からいびきの増悪, 睡眠時無呼吸を指摘されるようになり, 59歳時, 他院にて口蓋垂軟口蓋咽頭形成術を施行された. 左側臥位では比較的良眠できるようになるも, 仰臥位, 右側臥位では無呼吸のため夜間覚醒あり, 日中の傾眠傾向を認めた. また, 頸部右回旋位では, のどに貼り付くような違和感があり, 「チッ」という音がするとのことで, 平成11年12月10日当科初診となった.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.15.1_39