補聴器外来受診高齢者におけるフレイルの実態
要旨: 補聴器外来を受診した60歳以上の117名において基本チェックリスト (Kihon Check List: KCL) を実施し, フレイルの有症率と, 聴力レベルとフレイルの関連項目を検討した。 要介護者を除くフレイル有症率は26.5%だった。プレフレイル, フレイル, 要介護状態を合わせると約6割を占め, ロバストは約4割弱であった。聴力レベル別でみると, KCL 総合得点の平均値は難聴が進むほど有意に高かったが,年齢を調整すると有意ではなくなった。要介護を含めて KCL8 点以上の割合は, 難聴が進むほど有意に高かった。認知機能低下の割合と聴力レベルには, 有意な関連を認めなかった。...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 63; no. 2; pp. 122 - 129 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.04.2020
日本聴覚医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0303-8106 1883-7301 |
DOI | 10.4295/audiology.63.122 |
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Summary: | 要旨: 補聴器外来を受診した60歳以上の117名において基本チェックリスト (Kihon Check List: KCL) を実施し, フレイルの有症率と, 聴力レベルとフレイルの関連項目を検討した。 要介護者を除くフレイル有症率は26.5%だった。プレフレイル, フレイル, 要介護状態を合わせると約6割を占め, ロバストは約4割弱であった。聴力レベル別でみると, KCL 総合得点の平均値は難聴が進むほど有意に高かったが,年齢を調整すると有意ではなくなった。要介護を含めて KCL8 点以上の割合は, 難聴が進むほど有意に高かった。認知機能低下の割合と聴力レベルには, 有意な関連を認めなかった。一方, 運動器の機能と閉じこもりに該当する割合は難聴が進行するにつれて有意に高くなっていた。 補聴器外来受診高齢者は, 約半数がフレイル・プレフレイルであり, 要介護状態を未然に防ぐための介入候補の集団であることが示唆された。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.63.122 |