非特異性喉頭肉芽腫の臨床的検討

「はじめに」喉頭の肉芽腫は, 結核, サルコイドーシスなどによって生じる特異性肉芽腫と, その他の原因によって生じる非特異性肉芽腫がある. 喉頭の非特異性肉芽腫は声帯突起部から披裂部に好発する炎症性の腫瘤であり, その分類としては原因別に, 接触性, 挿管性, 外傷性, 原因のはっきりしない特発性などに分けられる1). その治療法として, 顕微鏡下喉頭微細手術による外科的切除, 発声法の指導による音声治療, beclomethasone dipropionate inhaler(BDI)といったステロイドの吸入, proton pump inhibitor(PPI)投与, 副腎皮質ステロイド薬...

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Published in喉頭 Vol. 13; no. 1; pp. 11 - 15
Main Authors 深浦, 順一, 門司, 幹男, 澤津橋, 基広, 中島, 俊之, 井之口, 昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 2001
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx1989.13.1_11

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Summary:「はじめに」喉頭の肉芽腫は, 結核, サルコイドーシスなどによって生じる特異性肉芽腫と, その他の原因によって生じる非特異性肉芽腫がある. 喉頭の非特異性肉芽腫は声帯突起部から披裂部に好発する炎症性の腫瘤であり, その分類としては原因別に, 接触性, 挿管性, 外傷性, 原因のはっきりしない特発性などに分けられる1). その治療法として, 顕微鏡下喉頭微細手術による外科的切除, 発声法の指導による音声治療, beclomethasone dipropionate inhaler(BDI)といったステロイドの吸入, proton pump inhibitor(PPI)投与, 副腎皮質ステロイド薬の局所注入などが行われるが, 比較的難治性の疾患であり, 術後再発を繰り返し易いことで知られている2,3). 今回我々は1982年から1999年までの17年間に当教室で非特異性喉頭肉芽腫と診断された46例を接触性肉芽腫(contact granuloma)と気管内挿管後に生じる挿管性肉芽腫(intubation granuloma)とに大別し, 臨床的検討を行ったので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「対象・方法」対象は, 1982年から1999年までの17年間に当教室で非特異性喉頭肉芽腫と診断された46例である. これらの症例に対して, (1)顕微船下喉頭微細手術により肉芽腫を切除し, 基部をCO2 Laserにて披裂軟骨や声帯靭帯の損傷がない程度に焼灼する.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.13.1_11