下顎頭のリモデリングを認めた総義歯症例の8年後評価
「I. 症例の概要」患者:59歳(初診時), 女性. 初診:平成6年7月5日. 主訴:顎が痛い(初診時年齢59歳). 現病歴:10年間使用していた義歯が不適合となり再製作, 装着直後から左側顎関節部に強度自発痛と開口障害を認め, 当科受診. 現症:左側顎関節部強度自発痛および開口障害(18mm), さらに左側咬筋浅部痛・圧痛, 左側外側翼突筋に強度圧痛を認めた. 装着義歯は水平的下顎位の設定や咬合接触関係が不適切であった. 顎関節規格X線写真およびMRI所見では, 左側下顎頭の骨棘(図1a)と左側顎関節円板の復位を伴わない前方転位を認めた. 「II. 診断と治療方針」以上から, 左側顎関節症I...
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Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 48; no. 1; pp. 116 - 117 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本補綴歯科学会
2004
日本補綴歯科学会 |
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ISSN | 0389-5386 1883-177X |
DOI | 10.2186/jjps.48.116 |
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Summary: | 「I. 症例の概要」患者:59歳(初診時), 女性. 初診:平成6年7月5日. 主訴:顎が痛い(初診時年齢59歳). 現病歴:10年間使用していた義歯が不適合となり再製作, 装着直後から左側顎関節部に強度自発痛と開口障害を認め, 当科受診. 現症:左側顎関節部強度自発痛および開口障害(18mm), さらに左側咬筋浅部痛・圧痛, 左側外側翼突筋に強度圧痛を認めた. 装着義歯は水平的下顎位の設定や咬合接触関係が不適切であった. 顎関節規格X線写真およびMRI所見では, 左側下顎頭の骨棘(図1a)と左側顎関節円板の復位を伴わない前方転位を認めた. 「II. 診断と治療方針」以上から, 左側顎関節症IV型と診断し, 義歯の下顎位および咬合接触関係の不正が症状発現と関連していると推察し, 顎関節部負担軽減を図るため治療義歯を装着, 経過観察後新義歯製作へと移行することとした. 「III. 治療内容」治療義歯は, 使用義歯を即時重合レジンにて適切な咬合接触関係と可及的に両側性平衡咬合が得られるよう調整したものとした1). 治療義歯装着1ヵ月までは, 週1回の間隔で通院させ, 毎回再リマウントし均等な咬合接触関係が得られるよう調整を行った. |
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ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
DOI: | 10.2186/jjps.48.116 |