補聴器適合検査の指針 (2010) による適合検査と補聴器購入結果との関連性について
要旨: 「補聴器適合検査の指針 (2010) 」に基づいて補聴器適合検査を行った感音難聴患者26人を対象に適合検査の結果と, 補聴器購入の有無の関連について検討した。行った検査は, 指針で必須項目と定められた (1) 補聴器非装用時と装用時の語音明瞭度曲線の測定, (2) 環境騒音の許容を指標とした適合検査と, 参考項目6項目から, (5) 音場での補聴器装用域値の測定と (7) 雑音負荷したときの語音明瞭度の測定, (8) 質問紙による適合評価の実施の3項目を行った。検査は最初の補聴器フィッティングを行ってから3週間後を目安に行った。検討した26人中20人が購入に至り, 残りの6人は購入に至...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 56; no. 4; pp. 306 - 312 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
30.08.2013
日本聴覚医学会 |
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Summary: | 要旨: 「補聴器適合検査の指針 (2010) 」に基づいて補聴器適合検査を行った感音難聴患者26人を対象に適合検査の結果と, 補聴器購入の有無の関連について検討した。行った検査は, 指針で必須項目と定められた (1) 補聴器非装用時と装用時の語音明瞭度曲線の測定, (2) 環境騒音の許容を指標とした適合検査と, 参考項目6項目から, (5) 音場での補聴器装用域値の測定と (7) 雑音負荷したときの語音明瞭度の測定, (8) 質問紙による適合評価の実施の3項目を行った。検査は最初の補聴器フィッティングを行ってから3週間後を目安に行った。検討した26人中20人が購入に至り, 残りの6人は購入に至らなかった。必須項目 (2) と参考項目 (7) において, 適合例で補聴器購入率が高かったが, 検査結果と補聴器購入の有無の間には統計学的な関連を認めることはできなかった。購入に至らなかった6人を検討してみると, 補聴器購入にかかわる要因は補聴器の適合度だけでなく, 難聴の程度や個々の生活様式, 補聴器の値段といった経済的な要因が関係していることが推測された。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.56.306 |