岐阜薬科大学附属薬局における 4 回生実務実習生による実習調剤ミス分析の実態調査

「緒言」近年, 医療事故に関する報道がされているが, その中でも薬剤に関するものが多くみられる. 薬剤師は, 医療事故を未然に防止することができるが, 一方で, 医療事故の加害者となる場合もある. そこで, 医薬品が安全・適切に使用されるよう調剤を行うために, 「リスクマネジメント」への取り組みが浸透し, 薬局においても, ヒヤリ一ハット事例の分析結果や調剤事故の教訓を再発防止に役立てようとする取り組みが始まっている. 調剤過誤防止の一つとして, 岐阜薬科大学附属薬局では, 調剤鑑査時に鑑査を機械的に行う「一文字鑑査」1)を考案し実施している. 一方, 岐阜薬科大学附属薬局(以下, 附属薬局と...

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Published in医療薬学 Vol. 33; no. 11; pp. 925 - 931
Main Authors 寺町, ひとみ, 篠田, 綾, 高島, 英滋, 窪田, 傑文, 土屋, 照雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2007
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」近年, 医療事故に関する報道がされているが, その中でも薬剤に関するものが多くみられる. 薬剤師は, 医療事故を未然に防止することができるが, 一方で, 医療事故の加害者となる場合もある. そこで, 医薬品が安全・適切に使用されるよう調剤を行うために, 「リスクマネジメント」への取り組みが浸透し, 薬局においても, ヒヤリ一ハット事例の分析結果や調剤事故の教訓を再発防止に役立てようとする取り組みが始まっている. 調剤過誤防止の一つとして, 岐阜薬科大学附属薬局では, 調剤鑑査時に鑑査を機械的に行う「一文字鑑査」1)を考案し実施している. 一方, 岐阜薬科大学附属薬局(以下, 附属薬局と略す)では, 毎年多数の岐阜薬科大学4回生実務実習生を受け入れている. 実習初日に調剤室において, 医薬品の配列に関する規則, 複数規格医薬品や名前の似た医薬品の存在について実例を挙げて説明を行っている. さらに, 実習に際して調剤における心構えについて十分な説明を行っているが, 実習生による実習調剤ミスの発生頻度は高い. これは, 知識不足に加えて, 調剤業務に対して薬剤師は重大な責務を負っているという認識が低いことも関係するように思われる. 実習生が調剤実習を行う上で, 受け入れ側の薬局薬剤師が特に注意しなければならないことは医療過誤である.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.33.925