拡散強調MRIにて広範な高信号を呈する症例における血栓回収療法の臨床的検討

要旨:【目的】拡散強調MRI で広範な高信号を呈する症例での血栓回収療法の効果は確立されていない.DWI-ASPECTS 低値例に対する血栓回収療法の成績について検討した.【対象】血栓回収療法が行われた術前DWI-ASPECTS 5 点以下の21 例を対象とした.【結果】DWI-ASPECTS は,2 点2 例,3 点7 例,4 点5 例,5 点7 例,閉塞部位は内頸動脈14 例,中大脳動脈7 例であった.退院時mRSは,0 が2 例,1,2,3,4 がそれぞれ1 例,5 が11 例,6 が4 例であった.転帰別の比較では,良好群(mRS 0–2)でM5 領域の高信号率(25% vs. 94....

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Published in脳卒中 Vol. 42; no. 3; pp. 141 - 147
Main Authors 木村, 浩晃, 斎藤, 尚子, 長田, 高志, 神山, 信也, 髙尾, 昌樹, 出口, 一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2020
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10709

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Summary:要旨:【目的】拡散強調MRI で広範な高信号を呈する症例での血栓回収療法の効果は確立されていない.DWI-ASPECTS 低値例に対する血栓回収療法の成績について検討した.【対象】血栓回収療法が行われた術前DWI-ASPECTS 5 点以下の21 例を対象とした.【結果】DWI-ASPECTS は,2 点2 例,3 点7 例,4 点5 例,5 点7 例,閉塞部位は内頸動脈14 例,中大脳動脈7 例であった.退院時mRSは,0 が2 例,1,2,3,4 がそれぞれ1 例,5 が11 例,6 が4 例であった.転帰別の比較では,良好群(mRS 0–2)でM5 領域の高信号率(25% vs. 94.1%,P=0.012)および内頸動脈閉塞率が低かった(0% vs. 82%,P=0.006).【結論】DWI-ASPECTS 5 点以下の多くは転帰不良であった.DWI-ASPECTS低値症例に対して血栓回収療法を行うには,治療適応となる指標を見出す必要がある.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10709