前方型喉頭saccular cystの1症例

「はじめに」喉頭小嚢が閉塞して生じる喉頭小嚢嚢胞, いわゆる喉頭saccular cystは, 欧米では主に小児の呼吸困難をきたす疾患として, かなり以前より報告が散見されるが, 本邦においては1986年に初めて報告され1), 以後も報告例の少ない稀な疾患である. またその大半は側方型saccular cystであり, 前方型saccular cystの報告は非常に稀である. 今回我々は, 両側性の前方型喉頭saccular cystと思われる症例を経験したので報告する. 「症例」症例:84歳, 女性 主訴:嗄声 既往歴・家族歴:特記事項なし 嗜好歴:特記事項なし 現病歴:16歳頃より軽度の嗄...

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Published in喉頭 Vol. 19; no. 1; pp. 17 - 20
Main Authors 後藤, 理恵子, 印藤, 加奈子, 森, 望
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 2007
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx1989.19.1_17

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Summary:「はじめに」喉頭小嚢が閉塞して生じる喉頭小嚢嚢胞, いわゆる喉頭saccular cystは, 欧米では主に小児の呼吸困難をきたす疾患として, かなり以前より報告が散見されるが, 本邦においては1986年に初めて報告され1), 以後も報告例の少ない稀な疾患である. またその大半は側方型saccular cystであり, 前方型saccular cystの報告は非常に稀である. 今回我々は, 両側性の前方型喉頭saccular cystと思われる症例を経験したので報告する. 「症例」症例:84歳, 女性 主訴:嗄声 既往歴・家族歴:特記事項なし 嗜好歴:特記事項なし 現病歴:16歳頃より軽度の嗄声があったが, 軽快増悪を繰り返していた. 2005年4月頃より嗄声が増強し軽快しないため, 6月18日近医耳鼻咽喉科を受診し, 左仮声帯腫瘍の疑いで当科を紹介され, 6月22日初診した. 呼吸困難や疼痛はみられなかった.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.19.1_17