広範な骨欠損を伴ったTHA臼蓋側再置換術の治療経験

高齢者の広範な骨欠損を伴う人工股関節臼蓋側再置換術において種々の方法が報告されている.当科では原則的にセメントレスカップを使用し,骨欠損部に対しては同種骨移植で対応し術後免荷期間を長く設けてきた。今回,セメントレスカップと同種骨移植での再建術2例と早期荷重目的に金属オーグメントを用いた再建術1例を経験した.セメントレスカップ+同種骨移植の2例および金属オーグメントを用いた1例の3例とも術前の痛みは軽減し,2例で杖歩行が可能となったが,セメントレスカップ+同種骨移植の1例では車いす生活となった.金属オーグメントの1例は術後早期荷重を行いX線上ゆるみも認めていないが,術後1年8ヶ月とまだ短期成績で...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 1; pp. 1 - 3
Main Authors 麻生, 龍磨, 河村, 誠一, 今澤, 良精, 市ヶ谷, 憲, 瀬尾, 健一, 橋口, 智光, 安部, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2020
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.69.1

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Summary:高齢者の広範な骨欠損を伴う人工股関節臼蓋側再置換術において種々の方法が報告されている.当科では原則的にセメントレスカップを使用し,骨欠損部に対しては同種骨移植で対応し術後免荷期間を長く設けてきた。今回,セメントレスカップと同種骨移植での再建術2例と早期荷重目的に金属オーグメントを用いた再建術1例を経験した.セメントレスカップ+同種骨移植の2例および金属オーグメントを用いた1例の3例とも術前の痛みは軽減し,2例で杖歩行が可能となったが,セメントレスカップ+同種骨移植の1例では車いす生活となった.金属オーグメントの1例は術後早期荷重を行いX線上ゆるみも認めていないが,術後1年8ヶ月とまだ短期成績であり,今後も注意深い観察を要する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.1