トシリズマブ使用中に壊死性筋膜炎を発症した一例

トシリズマブは抗IL2受容体抗体に作用し関節リウマチの治療に使用される.今回,トシリズマブ使用患者で血液検査上炎症所見が軽度であるが短時間で重篤な経過をたどった壊死性筋膜炎の一例を経験したので報告する.86歳女性,前日から右肘関節が腫脹し左前腕の水疱を自覚した.他院を受診するも血液検査上白血球は正常範囲内でCRPは軽度の上昇であった.抗菌薬加療を行われ翌日,当院皮膚科紹介となる.当院の血液検査でも,炎症所見は軽度であったが短時間で皮膚色調変化が進行し当科紹介となる.患部よりレンサ球菌が検出され壊死性筋膜炎として加療を行った.両上肢の壊死が進行し左肩関節離断および右上腕骨切断を行い救命し得た.本...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 1; pp. 5 - 7
Main Authors 水光, 正裕, 尾﨑, 誠, 田口, 憲士, 竹内, 潤, 福島, 達也, 宮本, 俊之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.5

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Summary:トシリズマブは抗IL2受容体抗体に作用し関節リウマチの治療に使用される.今回,トシリズマブ使用患者で血液検査上炎症所見が軽度であるが短時間で重篤な経過をたどった壊死性筋膜炎の一例を経験したので報告する.86歳女性,前日から右肘関節が腫脹し左前腕の水疱を自覚した.他院を受診するも血液検査上白血球は正常範囲内でCRPは軽度の上昇であった.抗菌薬加療を行われ翌日,当院皮膚科紹介となる.当院の血液検査でも,炎症所見は軽度であったが短時間で皮膚色調変化が進行し当科紹介となる.患部よりレンサ球菌が検出され壊死性筋膜炎として加療を行った.両上肢の壊死が進行し左肩関節離断および右上腕骨切断を行い救命し得た.本症例からトシリズマブは炎症を抑制する
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.5