補聴器適合検査の指針 (2010) による両耳装用と片耳装用の傾向

要旨: 当院耳鼻咽喉科補聴器外来で 「補聴器適合検査の指針 (2010) 」 に準じて補聴器適合検査を実施した37例に対して両耳装用, 片耳装用の傾向について比較検討を行った。補聴器の両耳装用が21例, 片耳装用が16例であった。 「補聴器適合検査の指針 (2010) 」 の必須検査である(1)語音明瞭度曲線または語音明瞭度の測定, (2)環境騒音の許容を指標とした適合評価, また, 参考項目である(5)音場での補聴器装用閾値の測定, (7)雑音を負荷したときの語音明瞭度の測定, (8)質問紙による適合評価から両耳装用, 片耳装用の比較を行った。語音明瞭度検査, 環境騒音検査, 補聴器装用閾値...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 57; no. 3; pp. 202 - 208
Main Authors 塚田, 景大, 工, 穣, 田澤, 真奈美, 岩崎, 聡, 鈴木, 伸嘉, 宇佐美, 真一, 佐藤, 梨里子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 30.06.2014
日本聴覚医学会
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.57.202

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Summary:要旨: 当院耳鼻咽喉科補聴器外来で 「補聴器適合検査の指針 (2010) 」 に準じて補聴器適合検査を実施した37例に対して両耳装用, 片耳装用の傾向について比較検討を行った。補聴器の両耳装用が21例, 片耳装用が16例であった。 「補聴器適合検査の指針 (2010) 」 の必須検査である(1)語音明瞭度曲線または語音明瞭度の測定, (2)環境騒音の許容を指標とした適合評価, また, 参考項目である(5)音場での補聴器装用閾値の測定, (7)雑音を負荷したときの語音明瞭度の測定, (8)質問紙による適合評価から両耳装用, 片耳装用の比較を行った。語音明瞭度検査, 環境騒音検査, 補聴器装用閾値検査, 質問紙では両耳装用例の適合判定率が高かった。しかし, 雑音負荷語音明瞭度検査では片耳装用例の適合判定率が高かった。年齢別, 聴力型別に比較した結果, 環境騒音検査における60歳未満群と, 補聴器装用閾値検査における60歳未満群で, 環境騒音検査における “食器洗いの音” で両耳装用例が片耳装用例に比較して有意に適合判定率が高かった。主観的評価, 客観的評価双方の総合的な適合率の高さから両耳装用が優れている傾向がみられたが, 雑音下での聞き取りは主観的評価と客観的評価が一致しないことがあり, 両耳装用と片耳装用の適合評価方法には検討の余地があると思われた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.57.202