LVISステント留置により穿通枝梗塞を来した解離性脳底動脈本幹部動脈瘤の1例
要旨:症例は74歳男性.ふらつきの精査にて先行性頭痛のない脳底動脈本幹部解離性脳動脈瘤を偶発的に発見した.経過観察の選択肢もあったが最大径7 mm を超えており,治療を強く希望されたため,ステント支援下コイル塞栓術を計画した.VER: 23%で治療終了し,術3時間後に麻酔から覚醒良好となったが,構音障害と左片麻痺が認められ,MRIを撮影すると橋右側の新規脳梗塞を認めた.Retrospectiveに術中血管造影を確認すると,ステント展開直後から脳幹を栄養する穿通枝の描出が消失していた.ステントによる解離の治療は偽腔へのentryを消失させることが目的だが,その一方で偽腔を圧排することによって起こ...
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Published in | 脳卒中 Vol. 43; no. 1; pp. 52 - 57 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2021
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.10780 |
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Summary: | 要旨:症例は74歳男性.ふらつきの精査にて先行性頭痛のない脳底動脈本幹部解離性脳動脈瘤を偶発的に発見した.経過観察の選択肢もあったが最大径7 mm を超えており,治療を強く希望されたため,ステント支援下コイル塞栓術を計画した.VER: 23%で治療終了し,術3時間後に麻酔から覚醒良好となったが,構音障害と左片麻痺が認められ,MRIを撮影すると橋右側の新規脳梗塞を認めた.Retrospectiveに術中血管造影を確認すると,ステント展開直後から脳幹を栄養する穿通枝の描出が消失していた.ステントによる解離の治療は偽腔へのentryを消失させることが目的だが,その一方で偽腔を圧排することによって起こる穿通枝梗塞の可能性を十分念頭に置かなければならない. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10780 |