急性期脳梗塞による嚥下障害における改訂水飲みテストと1%とろみつき水飲みテストの併用法の有用性について
急性期脳梗塞症例450 名に,改訂水飲みテスト(modified water swallow test: MWST)と1%とろみつき水飲みテスト(thickened liquid swallow test: TLST)のMWST・TLST 併用法を施行し,その有用性と嚥下障害症例の臨床的特徴を検討した.MWST で嚥下障害ありとした104 名のうち82 名がTLST により直接嚥下訓練を開始した.退院時に424 名(94.2%)の経口摂取が自立し5 名に誤嚥性肺炎を認めた.嚥下障害症例は有意に高齢者に多く,失語,半側空間無視,認知症,顔面麻痺,構音障害,感覚障害,ADL 低下,肺炎を合併し,手...
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Published in | 脳卒中 Vol. 39; no. 1; pp. 12 - 18 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2017
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.10377 |
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Summary: | 急性期脳梗塞症例450 名に,改訂水飲みテスト(modified water swallow test: MWST)と1%とろみつき水飲みテスト(thickened liquid swallow test: TLST)のMWST・TLST 併用法を施行し,その有用性と嚥下障害症例の臨床的特徴を検討した.MWST で嚥下障害ありとした104 名のうち82 名がTLST により直接嚥下訓練を開始した.退院時に424 名(94.2%)の経口摂取が自立し5 名に誤嚥性肺炎を認めた.嚥下障害症例は有意に高齢者に多く,失語,半側空間無視,認知症,顔面麻痺,構音障害,感覚障害,ADL 低下,肺炎を合併し,手術やrecombinant tissue-type plasminogen activator 施行例にみられた.退院時経口摂取の予後予測にはMWST・TLST 併用法,肺炎,両側病変が有意な因子であった. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10377 |