当科における新生児聴覚スクリーニング13年間の検討
要旨: 秋田県では新生児聴覚スクリーニング (以下新スク) が開始されて13年以上が経過した。 現在では, 県内の新スク受検率は100%に達し, 新スク実施産科施設, 精密聴力検査実施機関, 療育機関との連携や, 難聴確定後の聴覚管理や療育体制が整い, 一定の成果を上げていると考える。 今回我々は, 新スクが開始された2001年から2013年までの当科でのデータをもとに, 精密検査受検率, 陽性的中率, 難聴確定児の追跡率, 初回精密聴力検査後の聴力変化について調査・分析を行った。 初回 ABR の結果による陽性的中率は61%で, 日本耳鼻咽喉科学会乳幼児委員会による平成25年度の全国資料と...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 58; no. 6; pp. 638 - 647 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.12.2015
日本聴覚医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0303-8106 1883-7301 |
DOI | 10.4295/audiology.58.638 |
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Summary: | 要旨: 秋田県では新生児聴覚スクリーニング (以下新スク) が開始されて13年以上が経過した。 現在では, 県内の新スク受検率は100%に達し, 新スク実施産科施設, 精密聴力検査実施機関, 療育機関との連携や, 難聴確定後の聴覚管理や療育体制が整い, 一定の成果を上げていると考える。 今回我々は, 新スクが開始された2001年から2013年までの当科でのデータをもとに, 精密検査受検率, 陽性的中率, 難聴確定児の追跡率, 初回精密聴力検査後の聴力変化について調査・分析を行った。 初回 ABR の結果による陽性的中率は61%で, 日本耳鼻咽喉科学会乳幼児委員会による平成25年度の全国資料と当科の結果に大きな差異は認めなかった。 3歳以上を対象に, 初回 ABR と最終他覚的聴力検査, 自覚的聴力とを比較し, 生後3~6カ月時点の他覚的聴力検査で「難聴あり」と診断後も聴力変化があるため, 精密検査実施機関での長期的な聴覚管理の必要性が示唆された。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.58.638 |