頸動脈ステント留置術後に偶然発見された感染性脳動脈瘤の1 例
要旨:77 歳男性,一過性の歩行障害を契機に発見された症候性内頸動脈狭窄に対して頸動脈ステント留置術を施行された.頸動脈ステント留置直後の脳血管撮影で右後大脳動脈末梢部に新生脳動脈瘤を認めた.術後当日に心臓超音波検査を施行したところ,僧帽弁に疣贅を認めたため感染性心内膜炎に合併した感染性脳動脈瘤と診断した.ステント再狭窄予防のため二重抗血小板療法が必要であり,破裂リスクが危惧された.ステント留置術後2 日目に血管内手術でN-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)による母血管閉塞術を施行した.術後,同名四分盲を後遺したものの4 週間の抗生剤点滴投与と2 週間の経口投与にて独歩で退...
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Published in | 脳卒中 Vol. 38; no. 1; pp. 32 - 37 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2016
日本脳卒中学会 |
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Summary: | 要旨:77 歳男性,一過性の歩行障害を契機に発見された症候性内頸動脈狭窄に対して頸動脈ステント留置術を施行された.頸動脈ステント留置直後の脳血管撮影で右後大脳動脈末梢部に新生脳動脈瘤を認めた.術後当日に心臓超音波検査を施行したところ,僧帽弁に疣贅を認めたため感染性心内膜炎に合併した感染性脳動脈瘤と診断した.ステント再狭窄予防のため二重抗血小板療法が必要であり,破裂リスクが危惧された.ステント留置術後2 日目に血管内手術でN-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)による母血管閉塞術を施行した.術後,同名四分盲を後遺したものの4 週間の抗生剤点滴投与と2 週間の経口投与にて独歩で退院した.感染性未破裂脳動脈瘤の治療指針は未だ統一見解がないが,二重抗血小板療法が必要な症例には早期の血管内手術が重要な選択肢の一つと考えられた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10336 |