年齢群におけるテオフィリンクリアランスの違い

「緒言」喘息治療ガイドラインの改訂1)によりテオフィリンの位置づけに変更が生じたが,小児科入院の患児はRTC(round the clock)療法2,3)に基づくテオフィリンの持続点滴や内服を受けることが多い.国立病院機構福岡病院において,2005年4月から2006年9月末日までのテオフィリン血中濃度測定件数は868件にも上っている.また,成人に比べて小児,学童児では発作のコントロールがうまくいかず,投与量の変更を余儀なくされることがしばしば見られ,その都度テオフィリン血中濃度を測定している.そこで今回,この測定結果を分析し,年齢群によるテオフィリンクリアランスの差を見いだしたので報告する.「...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療薬学 Vol. 33; no. 10; pp. 847 - 849
Main Authors 黒木, 尚美, 真鍋, 健一, 牛尾, 友紀, 田中, 誠, 村上, 直幸, 小藪, 真紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2007
日本医療薬学会
Online AccessGet full text
ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.33.847

Cover

More Information
Summary:「緒言」喘息治療ガイドラインの改訂1)によりテオフィリンの位置づけに変更が生じたが,小児科入院の患児はRTC(round the clock)療法2,3)に基づくテオフィリンの持続点滴や内服を受けることが多い.国立病院機構福岡病院において,2005年4月から2006年9月末日までのテオフィリン血中濃度測定件数は868件にも上っている.また,成人に比べて小児,学童児では発作のコントロールがうまくいかず,投与量の変更を余儀なくされることがしばしば見られ,その都度テオフィリン血中濃度を測定している.そこで今回,この測定結果を分析し,年齢群によるテオフィリンクリアランスの差を見いだしたので報告する.「方法」868件の測定件数のうち,パラメーター算出可能な持続点滴のデータを分析対象とし,テオフィリンの代謝に影響を与える併用薬物が記載されているデータは除外した.また,同一患児でも6カ月後の再入院や投与量が異なるものは別データとして取り扱った.さらに,入院初期の測定結果は,定常状態に達していないと考えられるために除外した.血中濃度は蛍光偏向免疫法(FPIA法)で測定し,薬物クリアランスは下記の式によって算出し た.また統計処理は,一元配置分散分析とTukey法を用いて検定した.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.33.847