視線計測装置を用いた他覚的視力検査の検討

【目的】視線計測装置を用いた縞視標に対する視線の停留時間に基づく他覚的視力検査の有用性を検討する。【対象及び方法】対象は成人30名30眼であった。他覚的視力測定は視線計測装置Gazefinder、Teller acuity cards(TAC)を使用した。視線計測装置では縞視標3.2、4.8、7.5、12、19 cycles/degreeをディスプレイ上に呈示した。呈示位置は上下左右いずれかとし呈示時間は3秒とした。視力値判定は視線停留率〈(視標への視線停留時間/視標呈示時間)×100〉を算出し、視線停留率50%以上が視標呈示4回中3回以上であることとした。測定条件は裸眼、屈折矯正下、+6.0...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 52; pp. 217 - 223
Main Authors 大内, 達央, 山下, 力, 米田, 剛, 岡, 真由美, 藤田, 美佳, 三木, 淳司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2022
日本視能訓練士協会
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Summary:【目的】視線計測装置を用いた縞視標に対する視線の停留時間に基づく他覚的視力検査の有用性を検討する。【対象及び方法】対象は成人30名30眼であった。他覚的視力測定は視線計測装置Gazefinder、Teller acuity cards(TAC)を使用した。視線計測装置では縞視標3.2、4.8、7.5、12、19 cycles/degreeをディスプレイ上に呈示した。呈示位置は上下左右いずれかとし呈示時間は3秒とした。視力値判定は視線停留率〈(視標への視線停留時間/視標呈示時間)×100〉を算出し、視線停留率50%以上が視標呈示4回中3回以上であることとした。測定条件は裸眼、屈折矯正下、+6.00 D負荷した視力障害シミュレーション下(視力障害)とした。各検査における視力値の比較と相関を検討した。【結果】視線計測装置による平均視力値(logMAR)は、裸眼+0.29±0.15、屈折矯正下+0.21±0.04、視力障害+0.55±0.17であった。TACによる平均視力値は、裸眼+0.30±0.15、屈折矯正下+0.21±0.04、視力障害+0.58±0.20であった。全測定条件で視線計測装置とTACを用いた視力値に有意差はなく有意な相関を示した。【結論】視線計測装置による眼球運動の解析は他覚的視力検査として有用であることが示唆された。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.52F204