地域情報化とソーシャル・キャピタル

『1. 問題』 Putnam(2000)以降のソーシャル・キャピタル(以下SC)研究の隆盛の中で, 内外で関心の持たれてきたテーマにメディア, また情報通信技術(Information & Communication Technology, 以下ICT)がSCに与えるインパクトがある. Putnamはその主張する1970年代以降のSC減退の要因分析の中で, テレビのもたらすネガティブな影響を指摘したが, 一方でインターネット等をはじめとしたICTが及ぼす影響については, ポジティブ, またネガティブ双方の可能性を指摘しつつも早急な結論を下すことを避けていた. しかし2000年代以降,...

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Published in行動計量学 Vol. 37; no. 1; pp. 19 - 26
Main Author 柴内, 康文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本行動計量学会 2010
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ISSN0385-5481
1880-4705
DOI10.2333/jbhmk.37.19

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Summary:『1. 問題』 Putnam(2000)以降のソーシャル・キャピタル(以下SC)研究の隆盛の中で, 内外で関心の持たれてきたテーマにメディア, また情報通信技術(Information & Communication Technology, 以下ICT)がSCに与えるインパクトがある. Putnamはその主張する1970年代以降のSC減退の要因分析の中で, テレビのもたらすネガティブな影響を指摘したが, 一方でインターネット等をはじめとしたICTが及ぼす影響については, ポジティブ, またネガティブ双方の可能性を指摘しつつも早急な結論を下すことを避けていた. しかし2000年代以降, ICTの普及拡大と共にそのSCへの影響に関する実証的研究が積極的に行われるようになった(e.g. 宮田(2005)). この問題については, これまで調査的アプローチを中心とした個人を単位とした研究が多く行われてきたが, しかしそれらの研究の多くは, 必ずしも単純な関係を示してきたものではない.
ISSN:0385-5481
1880-4705
DOI:10.2333/jbhmk.37.19