診断に苦慮した視神経管内神経鞘腫の1例

【背景】視神経炎との鑑別に苦慮した視神経管内神経鞘腫の1例を経験したので報告する。 【症例】25歳女性。3ヶ月前より左眼視力低下あり、ステロイドパルス3クール行うも効果なく、当科紹介受診。初診時左視力(0.04)、MRIで左視神経に径5×5mmの結節状病変を認めた。前医を含めた4回のステロイドパルスで視機能改善はなく、放射線治療にも病変の縮小が見られず腫瘍性疾患と考えた。初診後1年7ヶ月左眼光覚消失に至った。初診後3年4ヶ月腫瘍は10×7mmまで増大し、腫瘍摘出術を施行した。切除組織から腫瘍は神経鞘腫と確定診断した。 【結果】急速に視機能低下を呈する疾患の鑑別診断として神経鞘腫を考慮すべきであ...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 52; pp. 109 - 113
Main Authors 田崎, 渚沙, 園田, 康平, 瀬戸, 寛子, 田川, 楓, 関, 正佳, 吉川, 洋, 蜂谷, 雪乃, 高木, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2022
日本視能訓練士協会
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.52F114

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Summary:【背景】視神経炎との鑑別に苦慮した視神経管内神経鞘腫の1例を経験したので報告する。 【症例】25歳女性。3ヶ月前より左眼視力低下あり、ステロイドパルス3クール行うも効果なく、当科紹介受診。初診時左視力(0.04)、MRIで左視神経に径5×5mmの結節状病変を認めた。前医を含めた4回のステロイドパルスで視機能改善はなく、放射線治療にも病変の縮小が見られず腫瘍性疾患と考えた。初診後1年7ヶ月左眼光覚消失に至った。初診後3年4ヶ月腫瘍は10×7mmまで増大し、腫瘍摘出術を施行した。切除組織から腫瘍は神経鞘腫と確定診断した。 【結果】急速に視機能低下を呈する疾患の鑑別診断として神経鞘腫を考慮すべきである。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.52F114