ウォーキングプログラムの開発におけるゲートウェイとしての食事・栄養情報の活用

本研究では, 食事・栄養情報をゲートウェイとしたウォーキングプログラムの開発およびその実施を目的とした.わが国において保健行動として広く採択・実施されている食事・栄養や食生活に関する健康情報をゲートウェイに, 運動, とりわけウォーキングの健康に及ぼす恩恵を認知させ, その行動を実施, 定着させることが本プログラムの目的である.食事・栄養や食生活に関する情報を媒介とすることで, 運動や身体活動を保健行動として実施していない対象者に介入プログラムを提供することが可能となった (運動非習慣者の教室参加率: 56.3%) .また教室型のプログラムでは, 行動科学に基づく理論や技法を取り入れることによ...

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Published inJapanese Journal of Health Education and Promotion Vol. 12; no. 1; pp. 29 - 38
Main Authors 岡, 浩一朗, 板倉, 正弥, 武田, 典子, 酒井, 健介, 中村, 好男, 渡邊, 雄一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康教育学会 2004
JAPANESE SOCIETY OF HEALTH EDUCATION AND PROMOTION
Subjects
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ISSN1340-2560
1884-5053
DOI10.11260/kenkokyoiku1993.12.29

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Summary:本研究では, 食事・栄養情報をゲートウェイとしたウォーキングプログラムの開発およびその実施を目的とした.わが国において保健行動として広く採択・実施されている食事・栄養や食生活に関する健康情報をゲートウェイに, 運動, とりわけウォーキングの健康に及ぼす恩恵を認知させ, その行動を実施, 定着させることが本プログラムの目的である.食事・栄養や食生活に関する情報を媒介とすることで, 運動や身体活動を保健行動として実施していない対象者に介入プログラムを提供することが可能となった (運動非習慣者の教室参加率: 56.3%) .また教室型のプログラムでは, 行動科学に基づく理論や技法を取り入れることにより, 学習型の介入プログラムの開発および実践を試みた.実際には, 目標設定とセルフモニタリングを重視し, 教室開催日のみならず日々の生活環境の中で, これらスキルを活用できるよう介入を行い運動習慣の定着を図った.その結果, 教室期間中の参加率は94.1%と高く維持され, 教室実施前後のウォーキング実施頻度は介入前の1.31日から介入後には3.31日と有意に増加し, その後の4ヶ月にわたるフォローアップ後も2.83日と高く維持された.これらの結果は, ウォーキングプログラムの開発に食事・栄養や食生活に関する情報がゲートウェイとして有用であることに加え, プログラム中に行動変容技法を導入することが保健行動の維持, 定着に重要であることが示唆された.今後, 地域, 職域などの保健事業としてこのような介入プログラムが活用されることが望まれる.
ISSN:1340-2560
1884-5053
DOI:10.11260/kenkokyoiku1993.12.29