陳旧性肩関節前方脱臼骨折に対し観血的脱臼整復術と一時的関節固定を併用した2例

陳旧性肩関節前方脱臼骨折(2-part大結節骨折)に対し,観血的脱臼整復術と一時的関節固定術を行った2例を報告する.【症例1】66歳男性.自宅内で転倒受傷し,受傷後9週で観血的脱臼整復術を行った.プレートによる大結節の骨接合後も脱臼不安定性が残存したため,キルシュナー鋼線を用いて4週間の一時的関節固定を行った.術後1年で再脱臼はなく,肩関節自動可動域は屈曲75°外転45°外旋20°であった.【症例2】71歳男性.自宅内で転倒受傷し,受傷後6週で観血的脱臼整復術を行った.症例1と同様に3週間の一時的関節固定を行った.術後1年で再脱臼はなく,肩関節自動可動域は屈曲130°外転130°外旋45°であ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 1; pp. 77 - 81
Main Authors 佐田, 潔, 尾﨑, 誠, 松林, 昌平, 青木, 龍克, 津田, 宗一郎, 辻本, 律, 梶山, 史郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2023
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.72.77

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Summary:陳旧性肩関節前方脱臼骨折(2-part大結節骨折)に対し,観血的脱臼整復術と一時的関節固定術を行った2例を報告する.【症例1】66歳男性.自宅内で転倒受傷し,受傷後9週で観血的脱臼整復術を行った.プレートによる大結節の骨接合後も脱臼不安定性が残存したため,キルシュナー鋼線を用いて4週間の一時的関節固定を行った.術後1年で再脱臼はなく,肩関節自動可動域は屈曲75°外転45°外旋20°であった.【症例2】71歳男性.自宅内で転倒受傷し,受傷後6週で観血的脱臼整復術を行った.症例1と同様に3週間の一時的関節固定を行った.術後1年で再脱臼はなく,肩関節自動可動域は屈曲130°外転130°外旋45°であった.【まとめ】陳旧性肩関節前方脱臼骨折の2例に対して観血的脱臼整復と一時的関節固定術を行った.術後の再脱臼はなく,肩関節安定性の獲得に一時的関節固定術は選択肢の一つと考えられる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.77