重症虚血性心疾患に合併した致死性不整脈における塩酸ニフェカラントの有効性と陽性T波の形態に関する検討

重症虚血性心疾患の急性期に認められる致死性不整脈に対し, 塩酸ニフエカラントの投与を行った5症例を経験した.有効例は3症例であり, 2症例は無効であった, 無効例はいずれもカテコラミン併用症例であった.心電図波形の比較を行ったところ, T波の波形の違いも認められ, 無効例ではTpeak-T end時間の延長が認められていた.これは, カテコラミンの作用による細胞間活動電位のばらつきによるものではないかと推測された.ニフエカラントを使用する際には, カテコラミンとの併用は行わず, 血行動態が不安定な場合には大動脈内バルーンパンピング (IABP) , 経皮的心肺補助装置 (PCPS) などの機械...

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Published in心電図 Vol. 25; no. 3; pp. 218 - 226
Main Authors 石川, 哲也, 東谷, 迪昭, 堀江, 俊伸, 遠田, 賢治, 今井, 嘉門, 庄田, 守男, 鶴崎, 哲士, 笠貫, 宏, 布田, 有司, 岡田, 尚之, 武藤, 誠, 阪本, 宏志, 太田, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2005
日本心電学会
Subjects
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.25.218

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Summary:重症虚血性心疾患の急性期に認められる致死性不整脈に対し, 塩酸ニフエカラントの投与を行った5症例を経験した.有効例は3症例であり, 2症例は無効であった, 無効例はいずれもカテコラミン併用症例であった.心電図波形の比較を行ったところ, T波の波形の違いも認められ, 無効例ではTpeak-T end時間の延長が認められていた.これは, カテコラミンの作用による細胞間活動電位のばらつきによるものではないかと推測された.ニフエカラントを使用する際には, カテコラミンとの併用は行わず, 血行動態が不安定な場合には大動脈内バルーンパンピング (IABP) , 経皮的心肺補助装置 (PCPS) などの機械的サポートが有効であると考えられた.また, ニフエカラントの有効性の評価として, QT時間のみでなく陽性T波の形態 (Tpeak-Tend時間) も有効であると考えられた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.25.218