もやもや病疑診例の母親から生まれたもやもや病確診例の姉妹の1家系

もやもや病の中で片側もやもや病(疑診例)は異なる病態として区別され,家族内発生の報告はほとんどない.我々は疑診例の母親を有する両側もやもや病(確診例)姉妹の家系を経験した.母親は31歳時に脳室内出血にて発症した右側の疑診例である.左内頸動脈終末部に狭窄は認められず16年間経過後進行は認められていない.19歳の長女と12歳の次女は,両側の内頸動脈終末部に狭窄を認め,確診例と診断された.姉妹共にそれぞれ両側の直接または,間接吻合術を施行した.今回我々の経験した家系は疑診例と確診例の病態を考察する上で,示唆に富む症例であると考えられたので報告する....

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Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 30; no. 3; pp. 505 - 510
Main Authors 鈴江, 淳彦, 木内, 智也, 宇野, 昌明, 永廣, 信治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2008
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.30.505

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Summary:もやもや病の中で片側もやもや病(疑診例)は異なる病態として区別され,家族内発生の報告はほとんどない.我々は疑診例の母親を有する両側もやもや病(確診例)姉妹の家系を経験した.母親は31歳時に脳室内出血にて発症した右側の疑診例である.左内頸動脈終末部に狭窄は認められず16年間経過後進行は認められていない.19歳の長女と12歳の次女は,両側の内頸動脈終末部に狭窄を認め,確診例と診断された.姉妹共にそれぞれ両側の直接または,間接吻合術を施行した.今回我々の経験した家系は疑診例と確診例の病態を考察する上で,示唆に富む症例であると考えられたので報告する.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.30.505