小規模施設におけるrt-PA治療の現状
小規模施設におけるrt-PA治療の現状を報告する.当院ではrt-PA治療を2007年10月に開始し,2010年3月までの2年6カ月間に急性期脳梗塞患者314例中の15例(4.8%)にrt-PA治療を施行した.投与前の画像検査で超急性期の虚血巣と閉塞血管を確認した.閉塞血管の再開通は12例で得られた.再開通が得られなかった3例のうち1例にバイパス術を慢性期に,1例に減圧術を急性期に行った.転帰は改善12例,不変2例,消化管出血による死亡1例であった.少数例の経験での結果であるが,閉塞血管の開存例で必ずしも良好な結果が得られるとは限らなかった.専門医の少ない小規模病院でrt-PA治療を行うためには...
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Published in | 脳卒中 Vol. 33; no. 1; pp. 191 - 198 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2011
日本脳卒中学会 |
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Summary: | 小規模施設におけるrt-PA治療の現状を報告する.当院ではrt-PA治療を2007年10月に開始し,2010年3月までの2年6カ月間に急性期脳梗塞患者314例中の15例(4.8%)にrt-PA治療を施行した.投与前の画像検査で超急性期の虚血巣と閉塞血管を確認した.閉塞血管の再開通は12例で得られた.再開通が得られなかった3例のうち1例にバイパス術を慢性期に,1例に減圧術を急性期に行った.転帰は改善12例,不変2例,消化管出血による死亡1例であった.少数例の経験での結果であるが,閉塞血管の開存例で必ずしも良好な結果が得られるとは限らなかった.専門医の少ない小規模病院でrt-PA治療を行うためには,専門医以外の医師やコメディカルスタッフの協力が不可欠である.急性期脳梗塞患者の病状や経過は多種多様であるため,全職員を対象とした院内研修にて経験不足を補うように試みた.全職員がrt-PA治療に対する共通認識をもつことと各個人の意欲や努力が重要と考えている. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.33.191 |