当院における10年間の急性期脳卒中診療の現状
【目的】当院における過去10年間の脳卒中診療の,内容とその変化について総括した.【方法】1997∼2001年までを前期,2002∼2006年までを後期とし,疾患分布や診療内容について検討した.【結果】総患者数は2,699人(前期1,238・後期1,461),疾患の内訳は虚血性(CI)/脳出血(ICH)/クモ膜下出血(SAH)が前期・後期でそれぞれ59.2%/26.5%/14.3%・62%/24.2%/12.9%であった.治療内容での変化は動脈瘤治療における血管内手術の増加(10%→25%)と,超急性期脳梗塞に対するtPA療法の導入(H16.12∼)であった.予後良好例はCIが,死亡率はSAHが...
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Published in | 脳卒中 Vol. 31; no. 3; pp. 157 - 162 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2009
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.31.157 |
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Summary: | 【目的】当院における過去10年間の脳卒中診療の,内容とその変化について総括した.【方法】1997∼2001年までを前期,2002∼2006年までを後期とし,疾患分布や診療内容について検討した.【結果】総患者数は2,699人(前期1,238・後期1,461),疾患の内訳は虚血性(CI)/脳出血(ICH)/クモ膜下出血(SAH)が前期・後期でそれぞれ59.2%/26.5%/14.3%・62%/24.2%/12.9%であった.治療内容での変化は動脈瘤治療における血管内手術の増加(10%→25%)と,超急性期脳梗塞に対するtPA療法の導入(H16.12∼)であった.予後良好例はCIが,死亡率はSAHが最も多い傾向があった.またICHは機能予後不良例が最も多かった.【結論】当院における脳卒中の治療成績は前後期で大きな改善はなかったが,患者の平均年齢は前後期を比較すると2.4歳高齢化し,平均在院日数は27.2日から23.5日と3.7日短縮した.また,全脳卒中急性期患者の19.6%に外科的治療を要した. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.31.157 |