ムスカリン性アセチルコリン受容体M2サブタイプの大腸菌での発現
1. はじめに 7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体は, ほぼすべての神経伝達物質, 多くのホルモン, 光, 匂い, 味, フェロモンなどの外来刺激を受容し, それらの情報を3量体Gタンパク質を介して細胞内に伝える1). その情報はイオンチャンネルの制御, タンパク質の機能調節, 遺伝子発現調節などに働く. Gタンパク質共役受容体はヒトゲノム上に千種類以上存在すると予測され, 数百種類からなる匂い受容体ファミリーを除いて現在約三百種類が同定されており2), リガンド認識機構とGタンパク質活性化機構の立体構造を基礎にした解明が望まれている. 我々は, Gタンパク質共役受容体のモデルとして, 脳・末...
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Published in | 生物物理 Vol. 41; no. 1; pp. 24 - 27 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本生物物理学会
2001
日本生物物理学会 |
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Summary: | 1. はじめに 7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体は, ほぼすべての神経伝達物質, 多くのホルモン, 光, 匂い, 味, フェロモンなどの外来刺激を受容し, それらの情報を3量体Gタンパク質を介して細胞内に伝える1). その情報はイオンチャンネルの制御, タンパク質の機能調節, 遺伝子発現調節などに働く. Gタンパク質共役受容体はヒトゲノム上に千種類以上存在すると予測され, 数百種類からなる匂い受容体ファミリーを除いて現在約三百種類が同定されており2), リガンド認識機構とGタンパク質活性化機構の立体構造を基礎にした解明が望まれている. 我々は, Gタンパク質共役受容体のモデルとして, 脳・末梢神経に広く存在するムスカリン性アセチルコリン受容体を選び, その構造決定を目指している. 構造解析を行うには大量の目的タンパク質を必要とする. X線, 電子線結晶構造解析, またはNMR解析をするにしても最低10mgオーダーの精製タンパク質を得ることが望ましい. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.41.24 |