先天性小舌症に対する哺乳援助の経験

誤嚥を呈した先天性小舌症の1例に対し, X線透視下での飲み込み試験を施行した. 哺乳姿勢や乳首の形状の工夫が誤嚥を減少させるという事実を, 客観的に評価することが出来た. 哺乳障害を有する児に対し, より安全性の高い哺乳援助方法を確立するためには, 専門各科のチームアプローチが重要であることを再認識した. 先天性小舌症は, 舌原基の高度の発育障害によって舌が部分的に形成されていない先天奇形で, きわめて稀なものとされている. 舌は哺乳, 摂食行動において重要な役割を担っているため, 本症では嚥下性肺炎によって生後まもなく死亡する例が多いが, 離乳後はほぼ順調に成育することが報告されている. 今...

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Published inSaitama rigakuryoho Vol. 3; no. 1; pp. 10 - 13
Main Authors 鈴木, 啓之, 松島, 淑江, 西村, 二郎, 江連, 和巳, 相原, 敏則, 田中, 明美, 小熊, 栄二, 佐藤, 栄作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 埼玉県理学療法士会 1995
埼玉県理学療法士会
Saitama Physical Therapy Association
Subjects
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ISSN0919-9241
1348-0294
DOI10.11350/jspta.3.10

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Summary:誤嚥を呈した先天性小舌症の1例に対し, X線透視下での飲み込み試験を施行した. 哺乳姿勢や乳首の形状の工夫が誤嚥を減少させるという事実を, 客観的に評価することが出来た. 哺乳障害を有する児に対し, より安全性の高い哺乳援助方法を確立するためには, 専門各科のチームアプローチが重要であることを再認識した. 先天性小舌症は, 舌原基の高度の発育障害によって舌が部分的に形成されていない先天奇形で, きわめて稀なものとされている. 舌は哺乳, 摂食行動において重要な役割を担っているため, 本症では嚥下性肺炎によって生後まもなく死亡する例が多いが, 離乳後はほぼ順調に成育することが報告されている. 今回我々は気道誤嚥を呈した先天性小舌症の一例に対し, X線透視下での飲み込み試験(VTR記録)をもとに, 哺乳援助方法について検討したので報告する.
ISSN:0919-9241
1348-0294
DOI:10.11350/jspta.3.10