0歳時受診難聴児の現状と対応 —聴覚・人工内耳センター開設3年間の経過
東京医科大学病院聴覚・人工内耳センター開設3年間 (平成20年4月から平成23年3月) に, 受診した初診年齢0歳児74名を対象に早期難聴児対応の現状について報告する。新生児聴覚スクリーニング (NHS) は48名 (65%) で, その普及のためか1, 2か月までの受診が35例 (47.3%) と多く, 最近では早期受診の傾向が見られた。精密検査は初診早期に施行され, 両側重度難聴13例 (18%), 両側中等度~高度難聴11例 (15%), 軽度難聴7例 (10%), 一側性難聴15例 (20%), 正常28例 (38%) であった。補聴器の装用は両側中等度以上の難聴児のうち, すでに装用...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 56; no. 1; pp. 73 - 81 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
2013
日本聴覚医学会 |
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Summary: | 東京医科大学病院聴覚・人工内耳センター開設3年間 (平成20年4月から平成23年3月) に, 受診した初診年齢0歳児74名を対象に早期難聴児対応の現状について報告する。新生児聴覚スクリーニング (NHS) は48名 (65%) で, その普及のためか1, 2か月までの受診が35例 (47.3%) と多く, 最近では早期受診の傾向が見られた。精密検査は初診早期に施行され, 両側重度難聴13例 (18%), 両側中等度~高度難聴11例 (15%), 軽度難聴7例 (10%), 一側性難聴15例 (20%), 正常28例 (38%) であった。補聴器の装用は両側中等度以上の難聴児のうち, すでに装用している症例, 転院や非装用にて様子をみたいという症例を除くと, 診断後早期に施行されていた。初回精密検査とその後の精密検査結果に差異がみられたのが11例 (15%)で, 精密検査結果の限界と思われ, 確定診断にはBOA, VRAなどの検査や日常生活での聞き取りの状況など総合的に判断すべきと思われた。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.56.73 |