Micro convex probeとB-flow imagingを用いた超音波検査が特発性内頸動脈解離の診断に有用であった1例
Micro convex probe(MCP)とB-flow imaging(BFI)を用いた超音波検査が高位分岐内頸動脈解離の診断に有用であった1例を報告する.症例は33歳男性.ランニング中に1分間の運動性失語と右顔面感覚障害が出現した.第3病日にも同様の症状があった.頭部MRIで左中大脳動脈領域皮質小梗塞を認めた.通常の超音波検査で用いられるlinear probeでは,高位分岐のため,左内頸動脈は観察困難であった.MCPを用いたところ,起始部から2 cm遠位で,低輝度連続性病変による左内頸動脈内腔狭窄と血管径拡張を認めた.さらに,BFIで血管内腔と血流を伴う偽腔性低輝度病変,これらを区別...
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Published in | 脳卒中 Vol. 33; no. 2; pp. 236 - 240 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2011
日本脳卒中学会 |
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.33.236 |
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Summary: | Micro convex probe(MCP)とB-flow imaging(BFI)を用いた超音波検査が高位分岐内頸動脈解離の診断に有用であった1例を報告する.症例は33歳男性.ランニング中に1分間の運動性失語と右顔面感覚障害が出現した.第3病日にも同様の症状があった.頭部MRIで左中大脳動脈領域皮質小梗塞を認めた.通常の超音波検査で用いられるlinear probeでは,高位分岐のため,左内頸動脈は観察困難であった.MCPを用いたところ,起始部から2 cm遠位で,低輝度連続性病変による左内頸動脈内腔狭窄と血管径拡張を認めた.さらに,BFIで血管内腔と血流を伴う偽腔性低輝度病変,これらを区別する可動性膜様構造物が描出された.造影CT angiographyは超音波所見に矛盾せず,BFIで真腔と偽腔,およびintimal flapを確認し得た.特発性内頸動脈解離と診断した.内頸動脈高位分岐が多いとされる本邦では,MCPによる遠位部観察とBFIの組み合わせは頭蓋外内頸動脈解離の診断に有用な診断法と考えられた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.33.236 |