当科めまい外来における前庭性片頭痛例の検討 診断過程における問題点について

「緒言」めまいと頭痛はともに日頃よく遭遇する症候である. 診療の場において, これらが併存, あるいは連動していると考えられる症例があるが, その多くはそれぞれ個別の治療は受けていても, その関連を意識して対応されていることは少ないと思われる. 頭痛は, 基礎疾患によらず頭痛そのものが疾患である一次性頭痛と, くも膜下出血や副鼻腔炎などにより症状が出現する二次性頭痛に分けられる. 一次性頭痛では緊張型頭痛と片頭痛が多くを占める. めまいと頭痛が合併することは以前より報告があり, 中でも片頭痛においてめまいの合併が多いことが報告されている. 片頭痛にめまいを伴う例について, Dietrichら,...

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Published inEquilibrium Research Vol. 79; no. 1; pp. 41 - 49
Main Authors 乾, 崇樹, 萩森, 伸一, 栗山, 達朗, 兼竹, 博文, 神人, 彪, 野呂, 恵起, 綾仁, 悠介, 鈴木, 学, 荒木, 倫利, 河田, 了
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 28.02.2020
日本めまい平衡医学会
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Summary:「緒言」めまいと頭痛はともに日頃よく遭遇する症候である. 診療の場において, これらが併存, あるいは連動していると考えられる症例があるが, その多くはそれぞれ個別の治療は受けていても, その関連を意識して対応されていることは少ないと思われる. 頭痛は, 基礎疾患によらず頭痛そのものが疾患である一次性頭痛と, くも膜下出血や副鼻腔炎などにより症状が出現する二次性頭痛に分けられる. 一次性頭痛では緊張型頭痛と片頭痛が多くを占める. めまいと頭痛が合併することは以前より報告があり, 中でも片頭痛においてめまいの合併が多いことが報告されている. 片頭痛にめまいを伴う例について, Dietrichら, Cutrerら, Furmanらによる疾患概念が提唱されてきたが, 特に2001年にNeuhauserらによる片頭痛関連めまいの診断基準が提唱されて以降その報告が増加してきている.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.79.41