主観確率を含んだ累積プロスペクト理論モデルの推定精度について

「1. はじめに」主観確率の測定法を開発し評価することは重要な課題である. なぜなら, 意思決定研究において, 主観確率は意思決定を規定する要因の1つだからである (Savage, 1972). 人の意思決定を規定する主観確率を正確に評価し測定することができれば, 意思決定研究への貢献および意思決定の説明・予測・介入に繋がる可能性がある. 事象Bが生起する主観確率とは, 事象Bが生起するという信念の度合いである (Ramsey, 1931) と定義される. 主観的期待効用理論 (Savage, 1972) では, 行動して得られる結果の価値と, 結果が得られる主観確率に基づいて人の意思決定が説...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in行動計量学 Vol. 46; no. 2; pp. 53 - 71
Main Authors 岡田, 謙介, 藤田, 和也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本行動計量学会 2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0385-5481
1880-4705
DOI10.2333/jbhmk.46.53

Cover

Loading…
More Information
Summary:「1. はじめに」主観確率の測定法を開発し評価することは重要な課題である. なぜなら, 意思決定研究において, 主観確率は意思決定を規定する要因の1つだからである (Savage, 1972). 人の意思決定を規定する主観確率を正確に評価し測定することができれば, 意思決定研究への貢献および意思決定の説明・予測・介入に繋がる可能性がある. 事象Bが生起する主観確率とは, 事象Bが生起するという信念の度合いである (Ramsey, 1931) と定義される. 主観的期待効用理論 (Savage, 1972) では, 行動して得られる結果の価値と, 結果が得られる主観確率に基づいて人の意思決定が説明される (竹村, 2015). 主観確率が意思決定を規定するならば, 意思決定の結果という行動データから, 参加者の主観確率を推定することができるだろう (Gilboa, 2009 川越訳, 2014).
ISSN:0385-5481
1880-4705
DOI:10.2333/jbhmk.46.53