視覚誘発電位を用いたモノビジョンにおける両眼加重の評価
【目的】モノビジョンにおける両眼加重について視覚誘発電位(VEP)を用い他覚的に評価し、屈折差の許容範囲について検討すること。 【対象と方法】対象は健常成人27名とした。VEPの測定には日本光電社製Neuropack X1を使用した。127cm先の17インチの液晶モニタに視角15分の市松模様のパターン反転刺激を低頻度で提示した。測定条件は、両眼屈折矯正、非優位眼遮閉、非優位眼の凸レンズ付加によるモノビジョンシミュレーション(+0.50、+1.00、+1.50、+2.00、+3.00D)とした。得られた波形の振幅(N1-P1)と潜時(P1)を各条件間で比較した。 【結果】両眼屈折矯正の振幅(μV...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 52; pp. 15 - 21 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2022
日本視能訓練士協会 |
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Summary: | 【目的】モノビジョンにおける両眼加重について視覚誘発電位(VEP)を用い他覚的に評価し、屈折差の許容範囲について検討すること。 【対象と方法】対象は健常成人27名とした。VEPの測定には日本光電社製Neuropack X1を使用した。127cm先の17インチの液晶モニタに視角15分の市松模様のパターン反転刺激を低頻度で提示した。測定条件は、両眼屈折矯正、非優位眼遮閉、非優位眼の凸レンズ付加によるモノビジョンシミュレーション(+0.50、+1.00、+1.50、+2.00、+3.00D)とした。得られた波形の振幅(N1-P1)と潜時(P1)を各条件間で比較した。 【結果】両眼屈折矯正の振幅(μV)は12.8、非優位眼遮閉では9.4で両者に有意差を認めた(p<0.001)。非優位眼の凸レンズ付加の平均振幅は+0.50、+1.00、+1.50、+2.00、+3.00D付加でそれぞれ12.0、11.0、9.8、9.4、8.8であった。非優位眼+0.50Dと非優位眼+1.00Dおよび両眼屈折矯正の振幅は、非優位眼遮閉の振幅よりも有意に大きかった(p<0.001)。非優位眼+0.50Dと両眼屈折矯正の振幅は、有意差を認めなかった(p>0.99)。潜時はいずれの条件でも有意差を認めなかった。 【結論】屈折差1.00Dまでは両眼加重が成立することが示唆された。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.52F102 |