食中毒・苦情等の事例における推定原因食品の直接塗沫染色標本の有用性について
「はじめに」 最近, 食肉偽装事件や食品の賞味期限改ざん等の食品製造業者の食の安全に対する意識の低下や, 法令順守に関する理解不足等のモラルの低下を伺わせる事例の報道が後を絶たない. また消費者の食に対する関心が高まっていることもあって, 苦情食品等の相談や通報が増加の傾向にある. 新潟市保健所(以下当所)管内では食中毒や苦情事例の検査依頼件数が近年増加傾向にあり, 平成18年度は約70件に達した. 原因施設が管内にある場合は迅速に感染源(原因食品等)や感染経路を調査し, 原因究明と被害拡大防止に取り組んでいる. 食中毒や苦情の検査は新潟市衛生環境研究所(旧新潟市衛生試験所)で行っている. 毒...
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Published in | 日本食品微生物学会雑誌 Vol. 26; no. 1; pp. 28 - 32 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本食品微生物学会
2009
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Summary: | 「はじめに」 最近, 食肉偽装事件や食品の賞味期限改ざん等の食品製造業者の食の安全に対する意識の低下や, 法令順守に関する理解不足等のモラルの低下を伺わせる事例の報道が後を絶たない. また消費者の食に対する関心が高まっていることもあって, 苦情食品等の相談や通報が増加の傾向にある. 新潟市保健所(以下当所)管内では食中毒や苦情事例の検査依頼件数が近年増加傾向にあり, 平成18年度は約70件に達した. 原因施設が管内にある場合は迅速に感染源(原因食品等)や感染経路を調査し, 原因究明と被害拡大防止に取り組んでいる. 食中毒や苦情の検査は新潟市衛生環境研究所(旧新潟市衛生試験所)で行っている. 毒素型食中毒等の事例では, 推定原因食品の直接塗沫標本を鏡検することにより迅速に原因菌の推測が可能であり, その結果事後対策を早期に講じることができた事例を報告する. 「事例の概要」 筆者らが経験した4事例の発生状況等は以下に示すとおりでありその概要を表1に示した. |
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ISSN: | 1340-8267 1882-5982 |
DOI: | 10.5803/jsfm.26.28 |