閉鎖循環式保育器のクリーン化への試み

当院では2015年度から臨床工学科による閉鎖循環式保育器の院内定期点検を実施している。開始約1年後の点検時,真菌および一般細菌が両者とも検出されたため,その原因を探索し対応することで保育器のクリーン化を達成したので報告する。  定期点検時に保育器を清掃した際,主にファン・臥床台下に汚れが付着していることが発見された。また,ファンからは菌が検出されたため,その後,当科ですべてのファンのブラシ洗浄・消毒した後,中央材料室で洗浄するという運用に変更した。しかし,この運用により,保育器内側からの菌は検出されなくなったが,ファンからは引き続き検出されている。  これまで患者さんの感染事例は報告されていな...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 67; no. 2; pp. 134 - 138
Main Authors 斗野, 美幸, 中野, 浩志, 板倉, 礼卓, 中田, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2018
日本農村医学会
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Summary:当院では2015年度から臨床工学科による閉鎖循環式保育器の院内定期点検を実施している。開始約1年後の点検時,真菌および一般細菌が両者とも検出されたため,その原因を探索し対応することで保育器のクリーン化を達成したので報告する。  定期点検時に保育器を清掃した際,主にファン・臥床台下に汚れが付着していることが発見された。また,ファンからは菌が検出されたため,その後,当科ですべてのファンのブラシ洗浄・消毒した後,中央材料室で洗浄するという運用に変更した。しかし,この運用により,保育器内側からの菌は検出されなくなったが,ファンからは引き続き検出されている。  これまで患者さんの感染事例は報告されていないが,当科が責任を持って定期的な清掃除菌,点検を実施する事で保育器のクリーン化が実現でき,感染症コントロールにつながると考えられた。また,当科で保育器のトラブルに対応できるようになったことも意義がある。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.67.134