網膜静脈分枝閉塞症における光干渉断層血管撮影を用いた繰返し測定による網膜血管密度の変動値

【目的】網膜静脈分枝閉塞症において光干渉断層血管撮影を用いた繰返し測定による網膜血管密度の変動値と実数差に影響する因子を検討する。 【対象および方法】RTVue XR AvantiTMを用いて、同一視能訓練士がRetina Angio 3×3mmスキャンパターンにて2回測定した網膜静脈分枝閉塞症患者152例。AngioAnalyticsTMの測定ゾーンであるWhole Imageで網膜血管密度の再現性係数(=1.96×√[実数差の無修正平方和/症例数])を全例および画質指標スコア別で求めた。影響する因子を1回目と2回目の実数差を目的変数、年齢・眼内レンズの有無・視力値・画質指標スコア・画質指標...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 52; pp. 75 - 84
Main Authors 水本, 強一, 香村, 真里乃, 瓶井, 資弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2022
日本視能訓練士協会
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Summary:【目的】網膜静脈分枝閉塞症において光干渉断層血管撮影を用いた繰返し測定による網膜血管密度の変動値と実数差に影響する因子を検討する。 【対象および方法】RTVue XR AvantiTMを用いて、同一視能訓練士がRetina Angio 3×3mmスキャンパターンにて2回測定した網膜静脈分枝閉塞症患者152例。AngioAnalyticsTMの測定ゾーンであるWhole Imageで網膜血管密度の再現性係数(=1.96×√[実数差の無修正平方和/症例数])を全例および画質指標スコア別で求めた。影響する因子を1回目と2回目の実数差を目的変数、年齢・眼内レンズの有無・視力値・画質指標スコア・画質指標スコアの差・中心網膜厚を説明変数とし重回帰分析にて求めた。 【結果】全例の再現性係数は表層網膜血管密度で3.46、深層網膜血管密度では4.68%ポイントであった。画質指標スコア平均別では、表層網膜血管密度は2.37から4.92%ポイント、深層網膜血管密度は2.73から7.07%ポイントであった。浅層および深層網膜血管密度ともに、撮影画質指標スコア平均が有意な因子であった。深層網膜血管網血管は、さらに眼内レンズの有無が有意な因子であった。 【考按】再現性係数を超える変動があった場合は、有意な変動である可能性が示唆でき、臨床おける経過観察や集団縦断研究に有用な指標であると思われる。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.52F110