Angio-Sealによる止血から1週間後に大腿動脈閉塞症を認めた1例
Angio-Seal(テルモ,東京)は,すでに多くの施設で使用されている止血デバイスであるが,使用による出血性および閉塞性合併症も散見される.今回我々は,Angio-Sealを使用した大腿動脈穿刺部の止血から1週間後の遅発性大腿動脈閉塞を経験したため,報告する.症例は,80歳男性.心房細動,脳梗塞,高血圧の既往あり.突然の意識障害,左片麻痺を認め,造影CT検査で右内頚動脈急性閉塞症の診断に至った.機械的血栓回収療法を施行し,完全再開通が得られた.右大腿動脈穿刺部の止血に8 Fr Angio-Sealを使用し,止血が得られた.穿刺部の止血から1週間後に,右下肢の疼痛,蒼白,足背動脈の拍動が触知不...
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Published in | 脳卒中 Vol. 46; no. 3; pp. 234 - 238 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2024
日本脳卒中学会 |
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Summary: | Angio-Seal(テルモ,東京)は,すでに多くの施設で使用されている止血デバイスであるが,使用による出血性および閉塞性合併症も散見される.今回我々は,Angio-Sealを使用した大腿動脈穿刺部の止血から1週間後の遅発性大腿動脈閉塞を経験したため,報告する.症例は,80歳男性.心房細動,脳梗塞,高血圧の既往あり.突然の意識障害,左片麻痺を認め,造影CT検査で右内頚動脈急性閉塞症の診断に至った.機械的血栓回収療法を施行し,完全再開通が得られた.右大腿動脈穿刺部の止血に8 Fr Angio-Sealを使用し,止血が得られた.穿刺部の止血から1週間後に,右下肢の疼痛,蒼白,足背動脈の拍動が触知不良となり,下肢造影CT検査を施行したところ,右大腿動脈閉塞症と診断した.同日,心臓血管外科により緊急血栓除去術が施行され,再開通が得られた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.11189 |