大腿骨頚部前額面剪断骨折における治療方法の検討
当院で過去2年間に手術を行った大腿骨近位部骨折425例のうち,術前に股関節CTを撮影した352例を対象とし,CTで大腿骨頚部前額面剪断骨折(以下,CSF)を認める症例に関して調査を行った.8例がCSFであり,4例に人工骨頭挿入術,4例に骨接合術を行っていた.Compression Hip Screwで骨接合術を施行し,早期にtelescopeを認めた1症例を除けば,骨接合術を行った症例は6ヶ月で全て骨癒合を確認した.また,人工骨頭挿入術症例を含め全例短期経過ではあるが大きな問題なく経過していた.これまで,CSFに対する骨接合術は良好な成績が報告されているが,骨折部への剪断力のためsliding...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 1; pp. 8 - 10 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2023
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.72.8 |
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Summary: | 当院で過去2年間に手術を行った大腿骨近位部骨折425例のうち,術前に股関節CTを撮影した352例を対象とし,CTで大腿骨頚部前額面剪断骨折(以下,CSF)を認める症例に関して調査を行った.8例がCSFであり,4例に人工骨頭挿入術,4例に骨接合術を行っていた.Compression Hip Screwで骨接合術を施行し,早期にtelescopeを認めた1症例を除けば,骨接合術を行った症例は6ヶ月で全て骨癒合を確認した.また,人工骨頭挿入術症例を含め全例短期経過ではあるが大きな問題なく経過していた.これまで,CSFに対する骨接合術は良好な成績が報告されているが,骨折部への剪断力のためsliding量が大きくなり,成績不良となる報告もある.高齢者などの骨質不良患者では,術前CTによる正確な骨折形態評価と綿密な術前計画(手術方法の選択)がより有用な骨折型であると思われる. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.72.8 |