頭蓋頸椎移行部硬膜動静脈シャント

「はじめに」1977年, KendallとLogueにより初めて報告された脊髄硬膜動静脈奇形が, 実は硬膜内に主座を置くarteriovenous shunt (fistulae) であることが明らかにされて以来, その解剖, 病理, 病態生理および治療法について種々の検討がなされている. 脊髄硬膜動静脈シャント (dAVS) は成人の脊髄動静脈奇形のなかで最も頻度が高く, 胸腰椎移行部を中心に発生するとされ, Symonらの50例の検討においても, 1例が大孔付近に, 2例が仙椎部にshuntsを認めたのみであり, 47例は胸腰椎部であった. また, Mourierらの外科的治療を施行した3...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 25; no. 5; pp. 398 - 404
Main Authors 吉本, 高志, 小笠原, 邦昭, 高橋, 明, 溝井, 和夫, 甲州, 啓二, 木内, 博之, 長嶺, 義秀, 藤原, 悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 30.09.1997
日本脳卒中の外科研究会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.25.5_398

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Summary:「はじめに」1977年, KendallとLogueにより初めて報告された脊髄硬膜動静脈奇形が, 実は硬膜内に主座を置くarteriovenous shunt (fistulae) であることが明らかにされて以来, その解剖, 病理, 病態生理および治療法について種々の検討がなされている. 脊髄硬膜動静脈シャント (dAVS) は成人の脊髄動静脈奇形のなかで最も頻度が高く, 胸腰椎移行部を中心に発生するとされ, Symonらの50例の検討においても, 1例が大孔付近に, 2例が仙椎部にshuntsを認めたのみであり, 47例は胸腰椎部であった. また, Mourierらの外科的治療を施行した30例においても1例が仙椎部でその他は全例が胸腰椎部であり, Rosenblumらの自験例27例のreviewにおいても26例が胸腰椎であった. これら胸腰椎部における脊髄dAVSの症状は全例が脊髄静脈圧の上昇による緩徐進行性のmyelopathyであり, しばしば疼痛を伴うとされている.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.25.5_398