セファレキシンおよびアモキシシリン/クラブラン酸の追加採用が救急外来の経口抗菌薬使用に与える影響

「緒言」院内採用薬の審議や決定には薬剤師が密接に関与する分野であり, 採用による将来的なメリット/デメリットを予測して院内採用薬について決定する必要がある. 患者に対する薬剤使用に対しては病院ごとに採用医薬品の制限を受け, 特に救急外来では診療時間などの関係でその傾向が強い. 五味らは, 院内採用抗菌薬を少なくすることが系統別抗菌薬使用比率を変化させ, 偏った抗菌薬使用を是正し, 薬剤耐性菌を減らすための1つの具体策であると述べている. しかし, 渡辺らは多種類の抗菌薬を揃え, 適応を守りながら, 適正に使用することが重要であり, 単純な絞り込みは耐性菌抑制の目的においては逆効果であることが多...

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Published in医療薬学 Vol. 42; no. 10; pp. 709 - 714
Main Authors 吉村, 知哲, 森, 卓之, 松岡, 知子, 新井, かおり, 篠田, 康孝, 大橋, 健吾, 吉田, 真也, 杉山, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.10.2016
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.42.709

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Summary:「緒言」院内採用薬の審議や決定には薬剤師が密接に関与する分野であり, 採用による将来的なメリット/デメリットを予測して院内採用薬について決定する必要がある. 患者に対する薬剤使用に対しては病院ごとに採用医薬品の制限を受け, 特に救急外来では診療時間などの関係でその傾向が強い. 五味らは, 院内採用抗菌薬を少なくすることが系統別抗菌薬使用比率を変化させ, 偏った抗菌薬使用を是正し, 薬剤耐性菌を減らすための1つの具体策であると述べている. しかし, 渡辺らは多種類の抗菌薬を揃え, 適応を守りながら, 適正に使用することが重要であり, 単純な絞り込みは耐性菌抑制の目的においては逆効果であることが多い, との見解を示している. 実際の報告として戸島らは, 注射用抗菌薬の採用のうち, 第4世代セファロスポリン系薬, カルバペネム系薬を削減, ペニシリン系薬とフルオロキノロン系薬を増加したところ, 系統別の使用動向が変化し, 多剤耐性グラム陰性菌の一部の検出数が減少傾向を示したことを報告している.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.42.709